医療問題今日の一言(20題)

空飛ぶドクター




(10/18/2008)   カラーコンタクトは「雑貨品」?

  私はたまたま小さい頃から国、つまり官僚制度を信用していませんでした。本
能的にいい加減だと感じていました。田舎で農業政策を見聞きし、国の言うなりのお
百姓さんがみんな失敗しているのを見ていたせいかもしれません。今、「年金制度」
のいい加減さに国民が怒っています。でも、個人的にはこんなもんだろうと直感して
いた私は怒る気もしません。彼ら、役人にとって、税金は自分達の金、年金は将来
ずっと先の金、どうでもいいのです。
  厚労省の政策にも同じようにいい加減なものがたくさんあります。典型がコンタ
クトレンズ(CL)です。一般の人の目にはあまり触れてないと思われる小さな記事が
最近出ました。視力補正機能のないおしゃれ用のカラーCLについて、厚労省の薬
事・食品衛生審議会の専門部会は薬事法上の「高度管理医療機器」に指定するこ
とを決めたと言うのです。ようやくです!
  わかり易く解説します。皆さんも知っているように、近視用のCLは眼科の受診
が義務付けられています。眼鏡と違って、CLは直接眼球(角膜)にのせるので(医
学的に言うと、異物なので)、取り扱いには注意が必要です。病院で看護師等から、
消毒の仕方等の説明があります。もちろん不潔に扱うと感染を起こすからです。とこ
ろが驚くなかれ、カラーCLは今まで「雑貨品」扱いだったのです。どこでも買えるし、
もちろん購入の際に使用説明などありません。元元、おしゃれ用と気楽に考えてい
る若者の使用が多いので、トラブルが増えてきたのです。そしてついに、目の感染
症をこじらせた失明者まで出てきて社会問題化したのです。それで、今回の「高度管
理医療機器」への指定になったのです。言葉が大げさですが、要するにようやく医療
機器として管理されるようになったのです。
  でも、考えてもみて下さい。当たり前のことです。度が入っていようがいまいが、
目の異物ということに変わりはなく、今まで雑貨品や玩具として扱われていたほうが
不思議です。役人得意の責任逃れも通用しません。医学知識がなくても誰でもわか
る程度のことです。関連業界との癒着を疑われても仕方がないでしょう。医療用とお
しゃれ用とCLを区別する理由が他に見当たりません。むしろ、着色した中国製の粗
悪なカラーCLなんか、いつ有害物質が溶け出すかわかったものではありません。




(6/27/2008)   たばこ税増税

   たばこ税の増税が議論されています。私に言わせれば、何を今更という感じで
す。 諸外国並みに、一箱800〜1000円に上げればいいのです。
   国会では、主に増収が狙いのようですが、私はそれ以上に健康のため、ひいて
は医療費削減のために上げるべきと思います。税収で言えば、吸うのを止める人も
増えるので、必ずしもそんなには増収にはならないでしょう。また、禁煙者が増えるく
らいに税金を上げないと意味がありません。
   個人的には、30年以上も前にアメリカの高校留学中に友達が回りでマリファナ
を吸っているのを経験しました。でも、タバコと違って煙たくもないし、周りの人に有
害だという話は聞いたことがありません。タバコがけしからんのは、吸っている本人
の健康はもちろん、むしろ間接喫煙の悪影響が相当大きいことです。自分の体のこ
とと居直るヘビースモーカーがいますが、本人はともかく、回りの人に有害だから困
るのです。二酸化炭素の問題と同じです。「ほっといてくれ」では困るのです。
   日本政府は、国民の健康よりもタバコ産業からの税収と葉タバコ農家を守るこ
とにのみ熱心です。でも、税収の意味でも、長い目で見れば、しばらくは増税により
増収になるし、高くなることにより禁煙者が増えれば、直接、間接喫煙による多くの
病気の医療費が削減できます。葉タバコ農家を保護するということは、北朝鮮が外
貨獲得のために麻薬を奨励しているのとたいして変わりがありません。
   中途半端な喫煙者にとっても、たばこの値段が高くなるということは、禁煙する
というインセンティブが働いて、いいことなのではないでしょうか? 




(5/31/2008)   社会保障費抑制維持

  昨日の新聞では、福田首相が社会保障費の伸びを年二千二百億円抑制する
政府目標を維持すべきだとの意向を伝えたそうです。これに呼応して、自民党の中
川秀直氏が「小泉改革路線が民意を得て策定された。変えるなら衆院解散・総選挙
に直結する。」と述べ、修正論をけん制したそうです。
  これで、いよいよ日本の医療はどんどん崩壊していくのが決定的です。ようや
く、「小泉経済改革」とやらで医療費をどんどんケチったことによる弊害が一般の人
の目にもわかるようになり、マスコミでさえようやく医療現場の疲弊を取り上げるよう
になって、医療費の削減どころか、医療費にはちゃんと予算を付けるのが大事だと
わかってきたのにです。何事も先送りの福田首相なのに、こんな大事なマイナスの
方針だけはしっかりと意向を示したのです。一方では、あいも変わらず道路予算だ
けは必死で守ろうとしている自民党のようです。お金はないのではなく、配分がおか
しいだけです。厚労省は長らく、医師の不足ではなく、医師の偏在だと言い張ってい
ました。まさに、予算こそ不足ではなく、道路への偏在です!
  悪名高い「後期高齢者医療制度」は「長寿医療制度」と呼び方を変えてごまか
そうとしています。何と呼ぼうと、「おばすて山制度」です。説明が不足しているので
はなく、どう説明してもさすがに高齢者も騙されないだけです。75歳以上の高齢者
切り捨てですから。こちらに関しては、余りに評判が悪いので、例の如く小手先の改
善策とやらでごまかそうとしています。残念ながら、医療費というのは、政治家には
票にもお金にもならないようです。これが、民主主義とやらの限界です。小泉政権の
時には、みんな何となく郵政改革とやらに賛成していましたが、医療費に関してこん
なにひどい法案が強行採決で可決していたなんて、今頃知って驚いているのが庶民
の率直な感情です。




(4/22/2008)   医学部卒業生と医療機関のマッチング

  1/24/2008の「地方の医師不足」に関連した話題を。新人医師が研修先を選べ
るようになったことが地方の医師不足を招いたと前回指摘しました。それを裏付ける
資料が発表されました。
  研修医のマッチング上位・下位5都道府県(2007年)です。上位は1位から、東
京、沖縄、京都、神奈川(横浜)、兵庫(神戸)です。下位は43位から47位まで、山
口、長崎、鳥取、富山、島根です。要するに、医学生と病院のお見合い成功率です
から、医学生の売り手市場では、医学生の人気が高いところが必然的に上位になり
ます。それを裏付けています。昔の医局制度の時は、それなりに医学生も我慢して
卒業大学に残ったので、それなりにうまくいっていたのを厚労省が制度改悪したから
です。上位の都会が人気があるのは、誰が見ても当然です。もちろん、沖縄だけ例
外で、ビーチの魅力が若い人にあるからでしょう。
  以前にも指摘したように、厚労省が過ちを認めて元に戻さない限り(残念なが
ら、絶対に過ちを認めないし、決して責任を取らないのが役人です)、地方の医師不
足はどんどん悪化します。特に若い時は、選べるなら都会に行きたい人が多いの
は、火を見るより明らかです。つまり、官が主導して地方の医師不足を起こしたので
す。人災です!もちろん、そんなことをする理由があります。彼らがおいしい「医者の
人事権」を握りたいからです。彼らの頭の中には、利権と天下り先しかありません。
国民の幸福なんか、これっぽっちも考えていません。




(4/5/2008)   問題の多い後期高齢者医療制度

  評判の悪い「後期高齢者医療制度」が4月から始まりました。まず、名前でもめ
ています。余りに馬鹿にしているというので、多くの高齢者から苦情がきているそう
です。当然です。で、評論家、他人事首相の福田が苦し紛れに長寿医療制度と通称
を提案しました。自民党内部で内輪もめしています。さすがに、お年よりも騙されま
せん。要するに、「おばすて山」制度だということが見え見えだからです。
  厚労省の役人は、医師に相談もなく、75歳以上を医学的に区別すべきだと言
っています。実際は医学的には、高齢者による特性はあるものの、75歳以上と以下
で何の区別もありません。一般の人でもわかることです。要するに、75年も生きた
人間は早く死ねと言わんばかりです。医療費削減というより、医療費切り捨てが目
的です。「高齢者担当医」制度を作るというのです。要するに、料金の丸めです。こ
れが普及すると、75歳以上の老人には十分な医療ができなくなるからです。しか
も、最近の厚労省の手口で、年々丸め料金を下げていくのです。そして、めでたく75
歳以上の高齢者には「余計な」治療はできなくするのです。
  しかも、保険料を年金からちゃっかり天引きです。肝心の年金は、まだ10人に
1人が適切に払われてない可能性があるのにです。
  幸い、医師の反乱が起きています。本日の新聞によると、茨城県と山形県の医
師会が「高齢者担当医」を設置しない方針を明らかにしたそうです。一定の年齢で
区別して別枠で管理するのは納得できないからです。役人にやられっぱなしの医師
会ですが、このようにその気になれば、抵抗できるのです。全国の医師会に広がる
ことを期待します。
  早く、官僚内閣制度を崩壊させないとこの国は道路だけ残って滅びてしまいま
す。政治家もだらしないけど、それを裏で操っている官僚が諸悪の根源です。




(3/4/2008)    医療のコンビニ化

   医師のハードな仕事に対して行政や地域住民が無理解で、医師の立場や気持
ちを理解せず、疲れ果てた医師たちが医療の現場から次々と立ち去っていくのが現
在の医師不足の問題の本質であると、伊関友伸「まちの病院がなくなる!?」(時事
通信社)には書いてあるそうです。その通りです。でも、影響力があるのに無責任な
高級官僚や政治家やマスコミの責任が重大だと私は思います。何故なら、一般の人
は医者の気持ちなんかわかるはずがなく、官僚や政治家を報道するマスコミによっ
て、多大な影響を受けるしかないからです。私はここに現在の日本の問題の根源が
あると思っています。
   ここでは一例だけあげます。各地の自治体に存在する「小児医療費の無料化」
です。自治体議員や自治体長の人気取りには最高のようです。でも昔から言うよう
に、タダほど高いものはありません。タダだから、核家族で不安な若い母親が、本来
の救急状態でもないのに(軽い熱発程度で)夜間でも病院を受診します。もっとひど
いのは、母親も働いていることが多いので、空いてる夜間を狙って受診します。どう
せ、タダですから!しかも、自治体病院の問題で多くは時間外手当でなく、当直料し
か払われませんから、最悪の病院では夜間に小児科医に払われるお金は時給に
換算して千円をきることもあります。しかも、コンビニの店員より大変です。何故な
ら、夜間働いたら帰って朝寝ればいいわけではないのです。そのまま、翌日の勤務
をするのが医者の現状です。これだけでも、辞めたくなる気持ちはわかってもらえる
と思います。ましてや、そんな先輩を目にした若い医者は小児科医だけにはなるま
いと思います。彼らもバカなお人よしではありません。




(2/5/2008)    「国民の 年金、 損なの 関係ない!」

    面白い川柳を見つけました。    「国民の 年金、 損なの 関係ない!」   
素晴らしいと思います。1/18付けの「年金問題。日本は平和な国?」で批判したよう
に、政府や官僚や社会保険庁のひどさは特別です。特に、役人が首相になったよう
な福田首相なんかのコメントはいつも他人事で、聞いているだけで腹が立ちます。こ
の川柳は、たった14文字でそれらの無責任体質を皮肉っていて、素晴らしい傑作だ
と思います。それにしても、こうやって皮肉る程度で革命が起きない日本はつくづく
平和な国です。




(2/3/2008)    「道路大好き」日本の政治家

  「暫定」道路特定財源を廃止するかどうかで、国会はもめています。自民党の政
治家は日本語もできないようです。「暫定」は「しばらく」の意味のはずです。何十年
も今まで問題にもならなかったほうが不思議です。政治家も役人も道路は大好きで
す。よっぽど、道路をつくることがおいしいのでしょう。
  一番許せないのは、道路の重要性のダシに病院までの時間短縮を持ち出すこ
とです。いつもこの欄で批判しているように、現在の日本の医療制度は危機的状態
です。お金をケチりすぎているからです。なのに、道路だけはこれから10年、60兆
円も確保しようとしているのです。道路ができた頃には、ほとんどの地方の病院は潰
れているでしょう。病院までの時間短縮どころか、病院が消滅しています。こんな屁
理屈までもちだしても、自民党というところは道路を作りたいようです。
  しかも、道路と言っても色々です。田舎者の私が危惧するのは、例えば故郷の
大分県には高速道路がほとんどありません。東国原知事で有名になった宮崎県と
同じです。ところが、農林省の予算で「農道」という名前の道路は、私の地元の国東
半島だけでも腐るほどあります。明らかに、無駄です。こんなことを繰り返していた
ら、いよいよこの国は滅びます。未来を予言する、株価が下がっているのは不気味
な兆候ではないでしょうか?




(1/24/2008)   地方の医師不足

   以前に柳沢厚生労働相の暴言を紹介しました。今度は現在の舛添要一大臣で
す。大同小異です。舛添さんは、一見マスコミ受けしますが、所詮は役人の言いなり
のようで残念です。
   新人医師が研修先を選べるようになったことが地方の医師不足を招いたとし
て、臨床研修制度の見直しを求める声があることについては「大事な命を全部、見
習いに預けていいのか」と否定的な見方を示したそうです。意味不明です。若手医
師を馬鹿にして、研修をするなと言いたいのでしょうか?今回の医師不足の原因
は、大学の医局(結局は地域医療を担う地方の大学)潰しの是非はともかくとして、
大事な医者の卵を自由に都会の病院で研修させるようにしたからです。ですから、
舛添大臣が(役人に操縦されて)それを是正するつもりがないということは、地方の
医師不足を解消するつもりがないということです。
   それでも、記者会見では、地方の医師不足について「緊急事態宣言をしないと
いけないような状況だ。首相と相談し、追加施策を早急に取りまとめたい」と述べ、
新たな医師確保対策を検討する考えを表明した。あほらし!答えは簡単で、以前の
ように研修医が出身大学を中心に地方で研修するように誘導すればいいだけのこ
となのに。
   政府は昨年5月、国による医師の緊急派遣などを柱とする緊急医師確保対策
を決定しています。これこそ、税金の無駄遣いです。パーフォーマンス以外の何者で
もありません。益々、役人の権益が増し、天下り先が増えるだけで、肝心の医師不
足は解消するはずありません。今起こっている医師不足は、明らかに厚労省による
人災なのです。医者の人事なので、一般の人にはわかりにくいと思いますが、この
数年で急激に医者が足りなくなっているのは、ちょうど新研修医制度が4,5年前に
始まってからと一致するのです。




(1/22/2008)   4月施行の「がん対策基本法」は有効??

   今年の4月に「がん対策基本法」が施行されるそうです。趣旨は、がん医療の
地域格差を解消し、国民の死亡原因の3割に上るがんに国を挙げて挑む、のだそう
です。国が、診療連携拠点病院整備などの各都道府県のがん対策推進計画を要
望するようです。
   でも、相変わらず「うさんくさい」、「嘘くさい」です。いかにも、選挙目当ての庶民
だましです。もちろん、本来なら癌の治療を充実させるのですから、非常にいいこと
です。でも、私は断言します。 「絶対にうまく行かない!!」と。
  一番大きい、わかりやすい理由はお金の問題です。詳しいことは知りません
が、どうせたいして予算は付かないのです。以前にも書いたように、残念ながら現在
の日本の医療制度は崩壊寸前です。多くの自治体病院が赤字で苦しんでいるの
に、癌の治療にだけ力を入れるなんて無理です。誰でもわかるように、癌は命に関
わるので大変です。転移等があるので全身の管理が必要です。つまり、ほとんど全
ての科の揃った本当の総合病院が必要です。癌の手術は難しいので、腕のいい外
科系の医者を集める必要があります。放射線治療のためには、高価な機械も必要
です。読影だけでなく治療のできる放射線医(そもそも日本では不足)も必要です。
癌の疼痛をきちんとコントロールできる緩和ケアの専門医(これも日本では不足)も
必要です。これだけでも、今現在より相当のお金が必要です。しかも、これらの医者
こそ、現在多くが辞めていって足りないと騒いでいる勤務医なのです。でも、現在の
日本は先進国中ビリの医療費です。国は全く上げる気はないようです(票に結びつ
く道路の予算はあっても、すぐに票にならない医療費の予算はないそうです)。
  次に、医者が益々忙しくなります。癌は簡単には治らないので、それなりの効果
の色々な治療法があり、説明だけでもものすごく時間がかかります(もちろん、日本
では説明料はタダです)。こういう新しい制度ができると必ず自分達の責任逃れのた
めに、役人は医者に「下らない」書類を押し付けます。益々医者は忙しくなります。そ
して、また勤務医が辞めていきます。悪循環です。
  今は訴訟などのトラブルが多いので、積極的な(失敗するかもしれない)手術を
躊躇する医者も増えつつあり、抗がん剤でも副作用の強いものは躊躇します。
  要するに、癌の治療とは普通の治療以上に大変なのに、普通の医療でさえ崩壊
しつつある現在の日本で、癌の治療だけ重点をおくなどというのは、いかにも役人
の「机上の空論」なのです。政治家にとっての選挙目当てなのです。




(1/18/2008)   年金問題。日本は平和な国?

   年金問題のデタラメが問題になっています。長年の自民党政権の膿で、官僚制
度のいい加減さが露呈しました。大事な庶民のお金を税金同様に半強制的に徴収
しておいて、払う時は自己申告。しかも、払ったかどうかの記録も紛失。自民党の政
治家は口先だけで全員救済すると無責任に嘘の確約。さすがに、前回の参議院の
選挙では自民党が大敗しました。救済できるわけがありません。記録をなくしている
のですから。子供でもわかることです。
   でも、これだけひどい不祥事で、この程度の混乱で済む日本という国はつくづく
平和な国です。いくら官僚制度が巧妙で誰の責任かあいまいにしているとはいえ、
年金官僚の一人も襲われたり、殺されたりした訳でもありません。普通の国だった
ら、これだけひどいことが起これば、暴動や革命が起こるのが普通です。だからこ
そ、官僚は国民や政治家をなめきって悪事を働けるのです。緊張感が全くないので
す。日本でも古くは農民一揆などがありました。
   つくづく、日本という国は平和です。もちろん、それ自体は悪いことではありませ
んが、その代償は大き過ぎると私は思います。「平和ボケ」です。お互いに傷をなめ
あって、仲良く暮すのはいいですが、株価の暴落が示すように、日本という国自体が
沈没していくのではと危惧しています。




(12/18/2007)   混合診療は是か非か?

   混合診療をめぐって賛否両論があります。ところで、混合診療とは何でしょう?
意外と知らない人が多いので説明します。普段、健康保険で医者にかかり、患者負
担が使った医療費の1〜3割で済みます。ところが、海外で使われているが日本で
は未承認の薬や、開発されて間もない手術法などは保険が利かず全額患者負担で
す。これら保険外の診療と通常の保険診療を一連の治療の中で混ぜることを「混合
診療」といいますが、国はこれを原則禁止し、しかも実施した場合は保険が利く通常
の治療部分までもが全額患者負担となるのです。
   単純に考えれば、解禁して保険が利かない部分だけを全額患者負担でいいは
ずです。ところが、厚労省は「複数の医療行為は不可分一体と見なす」ので混合診
療をした場合は、あくまでも保険の利くはずの診療まで全額自己負担とかたくなな考
え方です。いかにも役人の裁量行政です。役人の屁理屈です。その証拠に、先月東
京地裁がこの厚労省の健康保険法の解釈は誤りであり、混合診療の原則禁止を
「違法」と判断したのです。私自身、たぶん勤務医の頃実際には混合診療をしてい
ました。膀胱癌の治療で有名な4剤併用の抗癌剤のうち厳密には2剤しか保険適応
がなかったのです。しかも、その治療法は新しくもなく、もう10年以上も海外でも日
本でも定着しているのです。役所が遅れているだけです。私は一応その事実を知っ
てはいました。でも、まさかそんなこととは知らずに使っている若い医者も沢山いると
思うし、実際には病院の事務も知らずにそのまま保険請求しているはずです。
   厚労省や医師会は反対しています。厚労省の理由は、悪い医者が法外な保険
外の診療を無知な患者に押し付けるというもので、私に言わせると医者「性悪説」で
多くの真面目な医者に対して失礼です。今叩かれている自分達役所の不祥事はた
なにあげ、医者だけ信用しない失礼な理由です。但し、医師会の反対の理由は一理
あります。それでなくても現在は医療費をケチり過ぎるこの国ですから、混合診療が
解禁されると新しい薬や治療方法を保険対象にするのを止めたり延期したりする恐
れはあります。この点は、国民もしっかり見張っていかないといけません。




(12/02/2007)   日本の医療費は高い?パチンコ業界と同じ程度

   アンケートをとると、多くの日本人が日本の医療費は高いと答えるそうです。こ
れこそ、マスメディアによる誤解です。医療費を削減したい政府に騙されています。
これは象徴的なわかりやすい数字ですが、30兆円の医療費と聞くと馴染みのない
数字だけにみなさんは高い!と簡単に洗脳されます。でも驚くことなかれ、何とパチ
ンコ業界の経済規模もほとんど同じ30兆円なのです。多くの国民にとってのライフ
ラインである医療費が、所詮娯楽であるパチンコ業界と同じ水準なのに、高いと決め
付けられているのです。
   しかも驚くことなかれ、実は日本の医療費は先進国で一番安いのです。GDP
(国内総生産)に占める国民医療費の割合がOECD(経済協力開発機構)主要国で
最下位、GDPに占める公的な医療費支出の割合もOECD主要国中最低水準とい
うのが現実なのですが、一般の人には巧妙に伏せられています。私は田舎者だか
らよくわかりますが、田舎には無駄な道路が沢山あります。日本にはお金はありま
す。無駄に使われているだけです。
   同じく日本ではあまり報道されませんが、同じく医療費をケチった皆保険のイギ
リスでは、エコーの検査が1ヶ月待ち、癌の疑いでのCT検査が3ヶ月待ち、いざ癌
が見つかって手術が半年待ちというのが日常化し、さすがに国民が怒り、渋々政府
は5年以上も前から医療費を増加しています。でも、すでにかなり医療は崩壊してい
るようです。但し、資本主義の国だけあって、お金持ちは民間保険に加入し自由に
診療が受けれるようです。
   なのに、日本では未だに医療費削減が改革のように喧伝されています。経済
改革の成功したイギリスを見習おうとしているのです。だから、みなさんも少しは見
聞きするように、公立病院がバタバタ潰れ、医者が足りなくなっているのです。要す
るに、大事な医療費を削減すると医療は崩壊するのです。だから、私は日本の医療
の未来に悲観的なのです。
   マスメディアに煽られて、患者の権利意識が増し、訴訟やトラブルが増えていま
す。同じことが、勤務医にも起こっています。勤務医の権利意識が高まって、医師免
許という資格と重い責任のわりに、いかに自分達が安く使われていたかに気づき始
めているのです。いよいよ医者の反乱が起こっているのです。ですから、事態はかな
り深刻です。象徴的なのは当直料です。泊まって寝るだけではない実際に診察する
当直は、安い当直料ではなく、本来は(時間外)残業料が請求されるべきだったので
す。今、奈良県で裁判になっています。医療費削減により今でさえ赤字の多くの公
立病院は、当然残業料もきちんとは払わないし、払えないのです。これが、多くの勤
務医が辞めだした理由の一つです。




(10/12/2007)   あぁ、産婦人科!

   医師不足が社会問題化しています。その象徴が産科です。医学部を卒業して
専門科目を選択する時に少しでも産婦人科を考慮したことのある私としても関心が
あります。でも、同じ医者として産婦人科を選択しなくてよかったというのが、今の私
の正直な気持ちです。
   日本では昭和30年に年間3000人を超える女性がお産で命を落とし、10万
人以上の赤ちゃんが亡くなっていました。それだけ一般の人にも「お産の恐さ」が身
近だったのです。それが、平成16年にはお産で亡くなった女性はわずか49人、赤
ちゃんは5541人と激減しました。本来なら、これだけ素晴らしい結果を出すのに貢
献した産科医は表彰ものです。ところが皮肉なことに、今の日本では逆の現象が起
きているのです。一般大衆は、身近だった「お産の恐さ」を忘れ、めったにない死亡
が起きると、すぐに産科医の責任だと責め始めたのです。マスコミの悪影響も大きい
と私は思っています。本末転倒もはなはだしいです。確かに、若い女性や期待した
赤ちゃんが死亡するのですから、情緒的には悲しみは理解できます。しかもその悲
しみの矛先を安易に犯人探しに置き換えているのです。でも、昔の莫大な死亡率が
示すように、お産とは本来危険なものなのです。
   こうして、産科医は日本で一番訴訟の多い科となりました。しかも、「お産の恐
さ」を忘れた一般大衆は産科医に感謝することも止めました。死と向き合うことの多
い医者の仕事で、唯一出産という喜ばしいことに立ち会え、家族と一緒に喜びを分
かち合い、感謝されることに生きがいを感じて過労に耐えていた産科医は呆然とし
ました。そして、ふと我に返るとその割には医者としての報酬も決して多くはありませ
ん。
   かくして、多くの産婦人科医が産科を止め、婦人科医になったのです。産婦人
科とは英語で Ob/Gyn (Obstetrics & Gynecology)と略します。つまり、産科と婦人
科の二つの科をカバーしているので、割と簡単に転身できます。内科とか全く新しい
科をやる必要はないからです。
   ですから、一般の人が産科医に感謝の言葉を忘れないだけでも事態は改善す
るのです。こんな安上がりの方法はありません。但し、これは実は産科に限ったこと
ではありません。全部の科に共通します。全ての医者に共通します。マスコミに煽ら
れて、多くの人が医者を疑い過ぎです。その結果、感謝の気持ちも忘れています。し
かも、自分の責任を逃れることしか眼中にない役人が色々な政策を出してきますか
ら、事態は悪化する一方です。でも、残念ながらそれが今日本列島で起きていること
です。そして、多くの勤務医が消えて行くのです。彼らはどこへ行くのでしょう?医者
の私にもわかりません。




(10/08/2007)   妊婦救急搬送に加算

   新聞によると、厚労省は緊急搬送を受け入れた病院に診療報酬を加算する方
針を中医協に提示したそうです。妊婦の救急搬送の受け入れを拒否する病院が相
次いだ問題の対処法のようです。
   こういう記事を目にすると、いかに厚労省という役所が現場を何も知らないかと
呆れてしまいます。問題の本質が何も分かっていません。病院が救急搬送を断わる
のは、純粋に手がいっぱいでどうしようもないからです。要するに、救急体制が手薄
だからです。構造的な問題であり、まさに行政の問題です。私が知っている限り、救
急の現場でお金のことを考慮して患者の受け入れを考慮するような医者は一人とい
ません。医者をバカにしています。それとも、例の如く役所は努力しているというポー
ズだけのパーフォーマンスなんでしょうか?




(9/14/2007)   医局崩壊は医学部の崩壊

   「美しい国」と言っていた首相が美しくない辞め方をしました。残念です。「お友
達内閣」の塩崎恭久前官房長官は高校留学のAFSのリターニー(帰って来た人と
いう意味で留学経験者)として私の先輩です。応援していました。
   それはともかく、一般の人も少しずつ感じていると思いますが、医者不足が「急
に」起こっています。私はこれは厚労省による人災だと思っています。長期的には、
医学部の定員も少し減っているし、自身の子育てがある女医さんが増えています
が、ここ数年で急激に医者が足りなくなったのは不自然です。研修医の新制度が4
年ほど前に発足したのと、急激な医者不足とは見事に一致しています。
   表向きのくだらない理由とは裏腹に、この新研修医制度を導入することにより、
厚労省は若い医者が大学の医局へ入局しなくていいように誘導したのです。研修医
甘やかし作戦です。彼らは自由なのです。待遇も改善しました。大学病院では何と、
研修医の方が指導する医員よりも身分的に恵まれています。それでも、看護師も威
張っていて、若い研修医をバカにした大学病院は人気がありません。待遇も市中病
院よりは劣ります。当然、田舎の病院へ行くような物好きな若い医者はほとんどいな
くなりました。しかも、彼らは変に守られていて9時から5時まで勤務のようです。以
前は、医局から期間限定なので、それなりにみんな我慢して田舎の病院へ行ってい
ました。今はその医局の入局者が減ったので、地方の病院へ派遣できなくなったの
です。
   大学の医局という所は一般の人には分かりにくいと思いますが、患者の診療
と、研究と医学部の学生と若い医者の教育と多くの役割があり、相当の医者の数が
いないとこなせない所なのです。厚労省の誘導により医局員が減ると短期的には地
方の病院の医者不足が顕著になります。しかし、長期的にはもっと深刻なことが
次々に起こると私は懸念しています。診療の方が大事なので、研究なんかをする余
裕がなくなります。若い医者の教育に関しては手薄になるどころか、そもそも若い医
者が大学にはいなくなります。それと、文科省管轄の医学部の学生の教育が手薄
になるのです。つまり、現在進行している医局崩壊は医学部崩壊につながるので
す。一方で、若い医者を教育するのに、医局よりも市中病院の方がいいとは私には
到底思えません。
   では、何故厚労省はそんなことをするのでしょう?答えは簡単です。例の如く、
彼らの権益のみです。大学病院の教授が医局を支配して、医者の人事権を握って
いたのを自分達の手に取り上げ、自分達の権益を強化したり天下り先を増やしたり
するためです。実際、早速そういう動きが色々でてきています。しかも、ここが役人
の嫌らしいところで、医学部の管轄の文科省との縄張り争いもあるようです。いずれ
にせよ、このように厚労省は確信犯ですから、日本の医療は確実に崩壊していくと
私は危惧しています。




(8/28/2007)  美しい国日本?

   安倍政権のモットーは「美しい国づくり」だそうです。ずっと違和感がありまし
た。土建国家の自民党に今更そんなこと言われてもピンときません。田舎の川はコ
ンクリートで固められ、海はテトラポッドで醜悪です。美しい自然は全て破壊されてい
ます。田舎には、たぬきしか通らない不要な舗装道路が沢山あります。
   今回の参議院選挙で自民党が大敗したことで、多くの国民も同じように感じて
いたと思います。最近読んだ本で、イタリア人は自分達の国を「bel paese(美しい
国)」と誇りにしていることを知りました。芸術文化、グルメ、ファッション、ショッピン
グ、そして地中海の強い陽光と、イタリアの魅力は世界中の観光客を惹きつけてや
みません。政治や経済には問題があっても、国民が自分の国を美しいと誇りを持っ
て歴史を大事にしている。そんな「美しい国」だから世界中から観光客が集まるので
しょう。残念ながら、自分で払った年金が受け取れるかどうかも不安な現在の日本
人に「美しい国」の余裕はありません。




(7/31/2007)   電子カルテ

   今、政府は電子カルテを普及させようと必死です。でも、へそ曲がりな私はむし
ろ反対です。便利になるどころか非常に不便になり、医者のQOLは明らかに低下
し、ひいては患者サービスも低下すると確信しているからです。
   まず、第一の問題点は日本語の欠点でワープロと同じでカルテに入力するの
に時間がかかり過ぎます。特に、横文字(主に、英語で年配の医者はドイツ語)の単
語と日本語と併用することが多いので、切り替えが煩雑です。しかも、個人の開業医
はともかく、大病院のシステムでは専門の科によって、書き易いカルテの書式が全く
違います。数の論理で内科仕様にすると、泌尿器科の私には使いにくくて仕方があ
りません。ですから、使い易い電子カルテを見たことがありません。私はほとんど不
可能だと思っています。
   次に、病院の病棟のスペースの狭さの問題です。ナースステーション(看護師
詰め所)と呼ぶのが象徴的なように、今でも医者の居場所はありません。その狭い
場所にパソコンの端末を並べなければなりません。狭いので、たいてい数台のパソ
コンしか置いていません。すると、看護師と端末の奪い合いになるのです。一般の人
のイメージと違い、病院のカルテは看護師が書く記録の量の方が多く、人数も医者
よりはるかに多い看護師の占拠する時間が長く、実際に医者が使いたい時に使え
なくなります。
   次に、パソコンだから便利だろうというイメージと逆に、ものすごく使いにくく、見
づらいのです。医者は数字であるデータをよくチェックしますが、紙カルテなら簡単に
2つ、3つのページを同時に開けて覗くことができるのに、電子カルテだと狭い画面
で並列に同時に開くことができない場合がほとんどです。
   次は本質的な問題ですが、カルテは所詮ノートです。ノートをきれいにとる学生
が必ずしも優秀でないように、カルテをきれいに書く医者が優秀でもなんでもないの
です。もちろん、カルテは記録を残すと言う意味では大事ですが、それ以上のもので
はありません。処置の記録等は看護師がとります。つまり、カルテは医者と看護師
の共通のものです。入力が大変なので、多くの医師が必死でパソコンに向かわざる
をえません。検査機器の発達で、医者が触診等の診察をあまりしなくなったのと同
様に、多くの医者がパソコンの画面を必死で見て入力し、患者さんの方を見る余裕
すらなくなります。
   では、電子カルテにメリットはないのでしょうか?もちろん、乱筆による読みにく
さがなくなる、容量が大きければCT等のレントゲン写真がすぐに見れる、紹介状等
が書き易くなるなどのメリットはあります。そして、オンライン化することにより、医療
事務は効率的になります。医者の犠牲において、医療事務が楽になるのです。これ
は、経済合理性に明らかに矛盾しています。かと言って、アメリカのように医療事務
員を医者に配置するような発想は日本では絶対にありません。
   以上、病院勤務医にとって電子カルテはマイナスの方がはるかに大きいと言う
のが私の意見ですが、こういう現場の声は政府には届きません。莫大な利益が見
込めるITメーカーが政府に働きかけているのだろうと私は推測しています。そして、
これも多くの勤務医が疲れ果てて、勤務医を辞める一つの理由でもあるのです。そ
れでなくても、現在は無意味な書類等の雑用が多過ぎるのです。学校の教員も同じ
ようです。しかも、学校と病院の国の予算は削減の方向で、結局現場は忙しくなる一
方です。いつから、この国は一番大事な教育と医療をないがしろにするようになった
のでしょう?




(6/11/2007)   はしか騒動(いつものマスコミ報道)

   はしか(麻疹)で学校が休校になったりして社会問題になっています。一般の人
は気づいてないようですが、これは実は「年金問題」と同じく人災です。しかも、犯人
はいつものように、正義の味方ぶって報道しているマスコミ自体です。20年も前に、
麻疹ワクチンの副作用だけ一方的に声高に叫んだマスコミが「世論」を誘導し、世論
に弱い厚生省をも動かし、あたかも麻疹ワクチンは危険で打たないほうがいいと洗
脳したのです。その結果が今「先進国」日本で起こっていることで、世界の笑いもの
です。                          
   実は、この話しは小児科医を中心に問題視されていました。世界からは、日本
は「麻疹の輸出国」とまで揶揄されていたのです。そして今回の事象が起こるべくし
て起こったのです。ところが、マスコミは相変わらず脳天気に報道し、しかもあたかも
政府や医療機関の責任に転嫁しているのです。懲りない連中です。無責任で羨まし
いくらいです!インフルエンザの特効薬「タミフル」の報道の時も一方的な批判に私
はハラハラしてみていました。いつも、感情的で科学的な客観性は皆無です。薬の
効能による恩恵と副作用との比較を専門家が冷静に科学的にするのが本来の姿で
す。知識に乏しいマスコミが断定すべきことではないのです。常に人を批判するだけ
で、自分達は全く責任を取りません。しかも、怖いことに知識に乏しい一般の人はマ
スコミに誘導されやすいのです。それが、正しい方向ならいいのですが。
   感染症研究で有名なフランスのパスツール研究所の理事長もこう言っていま
す。「はしかは先進国では公衆衛生上の課題ではない。親が子供に予防接種させ
れば問題は発生しない。フランスでは接種が強く推奨されている。」さすがにエスプ
リのきいたフランス人。直接には言及していないものの、暗に日本は世界の非常識
で先進国とは思えないと示唆しているのです。  あぁ、恥ずかしい!




(5/31/2007)   医者の数は足りているか?

   女性のことを「生む機械」発言で評判の悪い柳沢厚労相大臣がいます。しか
し、医師の私にとっては、もっとひどい発言を柳沢大臣はしています。参議院予算委
員会での共産党小池晃委員の発言「病院勤務のほとんどの医師が、当直明けの長
時間勤務や休日勤務をしていて、すごく長い勤務時間を就労してる。このような厳し
い勤務実態が、産科医の減少や医療事故などの 原因の一つになってる。」に対し
て、柳沢大臣は「たしかに病院に着いてから帰るまでの時間は長いかも知れないけ
ど、その中には待機してる時間や休憩時間、自分の研究をしてる時間も含まれてる
んだから、本当の勤務時間である『患者を診察してる時間』だけを見たら、厚労省の
調査では別にたいしたことはない。」
   厚労省という役所は、こういう詭弁を使ってでも、世間の人の感想とも明らかに
違う、医師はそんなに忙しくない、つまり医師の数は足りていると言いたいのです。

小池委員 「日本中のすべての都道府県で医師の数が不足してる。」
柳澤大臣 「足りない地域もあるが、余ってる地域もある。」
小池委員 「日本の中で、住民の数に対して医師の数がもっとも多い徳島県でさえ 
       も、世界の平均と比べると少ない。いったい、どこの都道府県に医師の数
       が余ってるって言うのか?」
柳澤大臣 「ええと‥‥徳島県とか‥‥........私は世界と比べてるんじゃなくて、日本 
       の中の話をしてるんです!」

   このやり取りを聞いていると医師として腹立たしさを超えて悲しくなってきます。
この国の政治のひどさを。こんな人が厚労大臣になるのは明らかにミスマッチです。
この人は少しは経済の専門家らしいが、医療関係には明らかに精通していません。
明らかに役人に喋らされています。
   一般のみなさんも、厚労省が医者の数の不足を認めないのを不思議に思うで
しょう。どうも、20年も前の事務次官の医者の数が増えると医療費が増えるという
論文が根拠らしいのです。でも、この論文自体が一つの仮説であり証明されている
訳でもないのです。もちろん、財務省の圧力もあるでしょう。見かけ上の数以上に医
師の数が不足している一つの大きな理由として、若い女医さんが急増し、皮肉なこと
に彼女ら自身が出産や子育てに忙しいということがあります。いずれにせよ、この国
では医者不足でさえ認めないのですから、医療現場は悲惨な状態で医療は崩壊状
態にありますし、国がこのような実態さえ認めない状態ですから改善する見込みは
全くありません。  あぁ、日本の医療の未来は暗い!!







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